平成28年1月25日 基本計画調査特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、墨田区総合戦略素案について伺います。
 基本目標Ⅰの「暮らし続けたいまち」は大変よいコンセプトだと思います。子育て世帯が住めるまちにするためには、住宅の問題が大変大事だと思います。ファミリー世帯が住める住宅の供給が必要です。しかし、本所地域ではワンルームマンションの建設が大変多いです。このままでいくと、ワンルームマンションの供給が過剰になるのは明らかです。荒川区や豊島区では、既にワンルームマンションに対しては厳しい制限をつくっています。墨田区も、この問題を真剣に考えていく必要があると思います。住宅マスタープランでは、是非新しい対策を考えていただきたいと思います。現在、何か検討しているのか伺います。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 本区は平成20年度に集合住宅条例を制定いたしまして、25戸以上の集合住宅については、ファミリータイプの住戸の附置を義務化するなど、ワンルームの規制に取り組んでまいりました。しかし、指摘のとおり、さまざまな課題が残っていると思います。したがいまして、ファミリー世帯が住み、そして住み続けることができるような住宅施策については、現在策定中の住宅マスタープランにおいて、一番の中心に置いて検討を進めております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 基本目標Ⅲの「訪れたいまち」の実現ですが、墨田区には美術館以外にも伝統的な観光資源がたくさんあります。外国人にとっては、お祭りは大変おもしろい観光資源です。また、町会のもちつきも大変おもしろいイベントです。是非観光資源の発掘にも努力していただきたいと思いますが、そのために何か企画しているのか伺います。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 以前、井上委員の代表質問の中で、例えば本区の特色である国技の相撲の話もあったかと思います。本区には、例えば牛嶋神社の大祭などありますし、今お話しのもちつきなど、外国人の観光ツアーの中にそういうものを入れますと、おそらく体験型のユニークなものになっていくと考えています。観光セクション、それから民間の観光事業者とも連携いたしまして、実現に向けて考えていきたいと思います。

◆委員(井上ノエミ君) 
 また、おもてなしの体制づくりでは町会・自治会、NPOとの連携も考えているようですが、是非各町会におもてなし担当役員をつくることを提案していただきたいと思います。おもてなしの体制づくりの地域力育成・支援事業では、具体的にどのようなことを考えているのか伺います。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 地域力育成・支援事業については、やさしいまち宣言事業の後継事業といたしまして、「おもてなし」というキーワードも含めて今後推進していきます。具体的な内容は、予算発表時に報告させていただきたいと考えておりますが、できる限り町会・自治会やNPOも含めて、さまざまな地域活動の発掘など、墨田区の将来の人材を育成する事業なども考えて進めていく内容と伺っております。
 なお、町会ごとの役員の配置につきましては、これまでも町会には多数の負担を掛けておりますので、こちらからの提案は難しいと考えております。したがいまして、職員がもっと地域に入っていったり、また、本区の広報活動についてもフェイスブックを設けたり、シティプロモーションをうたっていますので、そういう形でPRをもっとしていきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、公共施設整備事業について伺います。
 都区制度改革で今検討されている児童相談所の移管ですが、いずれは決まると思います。墨田区内に児童相談所を設置することになった場合には、横川に整備を予定している子育て支援センターにできると考えていいのでしょうか。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 児童相談所については、移管を前提とした施設整備を念頭に置くべきだと考えております。したがいまして、切れ目のない子育て支援等を考えますと、新保健センターと合築して整備するのがよいのではないかと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 墨田区の財政状況は大変厳しいですから、少しでもお金が掛からないように施設を整備していく必要があります。豊島区は区役所を税金を使わないでつくりましたが、是非それを見習っていただきたいと思います。
 そこで伺いますが、陸上競技場の整備に関連して建設するすみだセミナーハウスですが、民間企業に対応してもらってはどうでしょうか。墨田区が宿泊施設を持つ必要はないと思います。また、毎年経費が掛かります。現在どのように考えているのか伺います。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 セミナーハウスの民間整備については、建設費の部分で採算がとれないのではないかと推計しておりまして、難しいと考えております。しかし、提案のとおり、運営については指定管理者制度を導入して、できる限り採算ベースを上げていきたいと考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 施策の達成をはかる指標についてですが、多くの区民アンケートのデータはあまりしっかりした指標ではないと思います。区民アンケートは回答率も低いです。施策を評価するのですから、もっと信頼性のある指標をつくっていただきたいと思います。例えば、文化・芸術活動に参加した区民の割合ですが、トリフォニーホールや地域のコンサートに参加した区民の数が指標になると思います。区民の税金を使った施策の評価をするのですから、もっと信頼できる指標を出して真剣に施策を評価する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 指標につきましても、前回の委員会で多数の意見をいただきました。有識者懇談会からも、指標の設定については大変厳しい意見がありました。そういう意味では、考えが甘かった部分が多数あったと反省しております。墨田区は今後10年間で大きく変わろうとしております。まず、すみだ北斎美術館が今年オープンいたしますし、東京オリンピック・パラリンピックの開催も控えておりますので、本区がどのように変わっていくのかという部分については、しっかりとデータ収集をする必要があると思っています。したがいまして、今後の課題となりますが、適切な指標や新しい指標などについて、企画経営室主導でしっかり検討することも考えております。